陸と海からのグリーンイノベーション~CIFER・コア~

WG10

アマモの養成実験


阪南6区・阪南2区

目的

大阪湾の湾奥部は底質のほとんどが泥質であり、アマモの育成には適していない。このため、浮体式構造物を用いることで底質に影響されないアマモ育成の可能性を探る。

経緯

浮体式コンテナで養成したアマモ
浮体式コンテナで養成したアマモ

アマモ場は「海のゆりかご」といわれ、多くの生きものの生息・繁殖場所となります。しかし、高度経済成長期以降、府域では海岸線の埋め立てなどにより極端に減少しました。また、海底が泥質の海域では浮泥により光合成が阻まれて生育しないとされています。

このため、アマモ場の復活・増殖を目指し、令和元年11月から阪南6区内水面において、海砂と播種シートを入れたコンテナをイカダから垂下し、水中に浮かせた状態で発芽、成長させる実験に取り組みました。

令和元年度は種子設置時期が遅かったためか全く発芽せず、翌令和2年10月から再度試みたところ、コンテナによる発芽率に差はあるものの垂下した4個のコンテナ全てで発芽が確認されました。この年はコンテナの設置期間、海水温等に恵まれたものと考えられ、アマモはその後最大約80cmに成長し、令和3年度にも新たな発芽がありました。また、地下茎も育ち、令和4年度にはこの地下茎からの発芽や花枝が出ている様子も見られました。アマモには貝毒増殖を阻害する細菌が付着することが知られており、貝毒対策としても期待されています。

本件については、令和5年1月に東洋建設㈱およびCIFER・コアが共同で特許を取得しています。

検討成果と今後の展開

浮体構造物による育成実験が成功し、大阪湾の湾奥部におけるアマモ育成の可能性が見えてきました。今後は、養成場の規模の拡大を図るとともに、ブルーカーボン生態系の増大を目指します。

構成員 阪南6区 : 東洋建設㈱ / ㈱総合水研究所 /(特非)アマモ種子バンク
阪南2区 : 東洋建設㈱
【協力】 岸和田市漁業協同組合 / ㈱総合水研究所
【助成】(一財)みなと総合研究財団
GoTop